Summer memory
「うーん…多分、ちせさんは、繊細なんだよ。だから何もかもが嫌になるんじゃない?」
「…一種の反抗期かな」
「そうかも。だからさ、大人とか子どもとか、そういうの関係なく、何かに歯向かいたくなるんだよ。
先生に叱られたら、自分はこんなに頑張ってるのに、なんでわかってくれないんだ!って思わない?
誉められたら誉められたで、`どうせ嘘だ'なんて、素直に喜べない。でしょ?
ちせさんだけじゃない。たくさんの人がその道を通ってるんだ。」
全て、覚えのある感情。
駛君の言葉は、私のなかの核心を確かに貫いた。
「夢なんてものは、焦って見つけるもんじゃないよ。自分のやりたいことをやればいい。幸せなら、それでいいんだ。
ゆっくりでいいよ。幸せだと思うことがいつかきっと、見つかるから。」