Summer memory
「そっか。そうだよね…。」
「…そろそろ戻ろうか。」
駛君は腰を上げて私に手を差し伸べる。
「駛君ていつも手ぇ出す…
私の足腰が弱いみたいじゃん。」
「えぇ?そんなつもりは…」
「へへ、嘘。ありがとう」
手を借りて立ち上がる。
日が沈んで、薄暗くなった道を、ゆっくりと歩きだす
空に、一番星が光っていて
急に自分がちっぽけに思えた。
何億光年とか。理科に詳しいわけじゃないけど。
宇宙は広くて。限りなくて
終わりがない。
「子供って無力だね。」
私の言葉に駛君は答えなかった
何を思ったのか。わからないけど
じっと空を見上げていた。