俺達にはオーナーがいる

連の意地

彩と晴人さんは挨拶も無く早朝に帰って行った。


唯さんはテリトリーを侵すとすごく不機嫌になる。きっとそれもあって、彩を帰らせたんじゃないのかと思う。


それと…


もう、要らなくなったか。


そう思いながら、
一睡もせずに部屋から、晴人さんの車を見送る俺もどうかと思う。


結局、俺を求めた夜も
昨日も…
少し経てば何処かに消えてしまう。


さみしい気持ちを隠すかの様に
カーテンを音も無く閉めた。


何もなかった様に部屋を出て、
一階を確認する。
唯さんも、晴人さんも彩もいない事を…

キッチンに立ち、4人分の朝食を準備していると、立が起きて来た。


「おはよう。連くん…。」


朝食の準備を見て何かを悟った様。

立のこういう感・洞察力の鋭さには、感心する。
そして、その落ち着き様に…
嫉妬しそうにもなる。
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