俺達にはオーナーがいる
そうは言いつつも、
連も唯に毎日朝晩連絡をいれている。


「お前らうぜぇよ。
冴だって何か考えてんだろ?」


連の電話に出て、立の1時間おきのメール攻撃を一喝して電話を切る。

唯はイライラしている。


「何!!冴ちゃん家出しちゃったの??」


晴人は唯に後ろから抱きつきながらチャカす。


「だからあの時、俺に貸してくれればよかったんだよ!!」

「彩で十分だろ?」

「…まあ、満足って言えば満足だけど…。」


彩は現在、唯のマンションから出て一人暮らしを始めていた。

唯とは縁が切れ、何の連絡もとっていないが、晴人とはまだつながっている。


「相性いいんだろ?」

「まあそうだけど、もっといい子いるかもだし?」

「この遊び人!!」

「自分だって3人も囲ってんじゃん?!」


そう晴人につっこまれると何も返せない。
実際に、家には3人もの愛人がいるのだから。


「オレは楽しけりゃいいし。」


一人に絞り込めない理由が、この2人にはある。

愛する人を一人に決めたくない理由が…


「Yui、Haru、本番前だ。集中しろ!!」


そう声をかけたのは、バンドリーダーのShin(ドラム)だった。


「「わかってる。」」


「相変わらず息がぴったりですね。」


そう言って笑ったのはギター担当のAki。
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