俺達にはオーナーがいる
ペットボトルが空になると、ソレを投げ捨て、冴の腕を掴み引き起こす。

冴もその力で立ち上がるが、
寝起きのためうまく足に力が入らず
よろけてしまう。

そんな事は気にせず、
引きずる様に自宅入り口へ向かう。


「…ゆ…唯さん!!」

「勝手なことしやがって。」

「ご…ゴメンなさい!!」

「3日間の無断外泊だ。覚悟はしているんだろ?」


ドアの横の壁に、正面から思いっきり叩きつけられ、つかまれていた腕を後ろに締め上げられた。


「…いっ!!」

「あー?」


痛いと冴が言おうと発した言葉を遮る様に、唯も怒りを露わにした声を発した。

もちろん冴は何も言えずに、痛みに顔を顰めるしかない。


「3日間ここで隠れん坊か?」

「…ふぇっ…。」


冴は怖さと痛みに泣き出した。


「おい。
泣いて許されると思ってるのか?」


唯の怒りは収まるどころか、更に怒りが倍増している。


「俺が疲れてるのは判ってんだろ?
…何で連絡もせずにここにいる。」
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