俺達にはオーナーがいる
温泉のもとの入った湯船は乳白色で、使っている部分が隠れる。


「いい加減にしろよ!!」

「立くんこそズルい!!」


まだ言う冴を黙らすため


「分かった、脱いでやる!!」


と言って脱ぎ出した。
上着を脱いで、ズボンに手をかける立をみると、急に恥ずかしくなってそっぽを向いた。


「…んだよ。見れねー癖に。」


立はそう言って、ズボンは脱がずに同じ湯船に浸かった。

冴を足の間に挟み込んで、後ろから抱きしめた。

冴えはビックリして身体を強張らせたが、立はお構いなしに冴の首筋に顔をうずめた。


「立…くん?!」

「…もう…心配ばっか、掛けさせんな。気がおかしくなりそうだった。」


消え入りそうな立の声に


「ごめんなさい。」


そう言って、回されている腕をぎゅっと掴むと、立も腕に力を入れ抱きしめた。
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