俺達にはオーナーがいる
立の着ていたTシャツを手に取り、椅子に腰掛けて、自分の膝の上でぐったりしている冴の体にかけた。


「…これ見よがしに、見ないでよ?」

「冴…このまま外に投げ出すよ?Tシャツまでかけてあげてる俺の優しさがわかんねーの?…つーか、お前の品素な体見てもなんの得も無い。」

「立くん、言いやがったな??!!」


冴は思いっきり立の頬と髪をつねったり引っ張ったりした。


「冴!!痛い!!って、めっちゃ元気じゃん!!」


立はそう言って、冴を支えていた手を離すと、冴はそのまま落下して後頭部を強打。

『ゴチン』
バスルームに響き渡るほどの大きな鈍い音。


「っふぅうっ…いっ…。」

「あ"…ゴメン。」


涙目で頭をさする冴。
その冴を抱きしめる立。


その瞬間

バスルームのドアがあき、唯が覗いた。


「…なにやってんの?」


「ゆ…唯さぁーん!!」


ポロポロ涙を流す冴は、立のTシャツが膝にかかるものの、隠しもせず両手を広げて抱っこをせがむ子供の様だった。

直ぐに立み冴から離れ


「唯さぁん!!」


と、冴と同じポーズを取る。


「ブッ!!お前等バカか?!」


思わず唯は吹き出し笑いをした。
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