俺達にはオーナーがいる
「バカは立くんだもん！！」

「冴だろ？！頭打ってもっとおかしくなったんじゃねーの？！」


にらみ合いが始まると、唯は冴の腕を引き上げて脱衣所に出す。

立ちくらみをして唯にもたれかかると、足元から崩れ落ちる冴の体を抱きとめた。


「冴？！」

「…うっ…うぅ…ん。」


その様子を見て、ちょっと呆れたように立が言う。


「唯さんの迎えを待ってたら、のぼせちゃったんです。」

「…あぁ…。立も着替え持って来たから着替えて部屋にもどってろ。」


そう言って、冴をタオルに包み着替えを持って脱衣所を出た。


ふわっと持ち上げられたまでは記憶がある冴。
だけど、お姫様抱っこの冴は、もったいない事に…意識を飛ばしていた。


その、冴の顔を見て唯は冴の顔に頬を近づけてスリスリした。


「超スベスベ。…のん気に気なんか失いやがって。説教だって分かってないのか？」


唯はそう言いつつも、冴の子供っぽさに癒されているのも事実だった。
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