俺達にはオーナーがいる
唯は冴の部屋に運び入れ、ベッドに寝かせた。


「冴。起きろ!!」


頬を軽く叩いても、全く無反応。
ため息をはいて部屋を出る唯と、立はばったり合う。


「…冴は…。」

「立は部屋に行って。」


唯はそう言って立の肩を叩くと、キッチンに向かった。

冷凍庫からアイスまくらを取って、再び冴の部屋に向かった。
冴の頭の下に敷こうと頭を持ち上げると、たんこぶができている事に気付いて苦笑する唯。



「冴。痛かったか?」


そう、声をかけたがむにゃむにゃと寝言が始まる。



「…色気ない…。」



がっかりする唯は、冴をタオルでくるんだまま布団を掛けた。少しベッドの横で冴の寝顔を見ていた唯はふと思った。


この家出中、車庫であまり眠れなかったんだろう。安心して寝てるし…。


おもむろに冴の頬を撫でると



「…ん…唯さ……一緒に……いたいよぉ…。」



冴は涙を流してそう言うので、



「冴、起きたか?!」


そう声をかける。
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