俺達にはオーナーがいる

反省

「寝過ぎ。」


冴は唯の声で目が覚めた。
勢いよく目を開けて、声のする方を見ると、唯がドアのところに立っていた。


「唯さん…。」


「眠り姫かと思った。」


冴は丸一日と半分、揺すっても叩いても起きなかった。

疲れと安心、それと若さからだろう。


「ご…ごめんなさい。」


「それは何の?」


唯に問われるといっぱいあり過ぎて『どれ』と言えない。

眉尻を下げて唇を噛んだ。



「冴?」


「…はい。」


「ここから出て行くか?」



唯がそう言うと、ボロボロと涙が流れ落ちる。


「う…ううっ。」


言葉にならない声しか出ず、しゃくりあげながら必死に涙を拭いた。



「嫌か?」



そう問う唯に、何度も頷く冴。


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