俺達にはオーナーがいる

「やーだぁー!!」



まさに子供の駄々をこねてる様子が…面白くて、笑える空気じゃない事は分かっているけど、堪えきれずに立が声を漏らした。



「ククククっ。」



その笑に連もつられて肩を揺らす。



「…笑ってないで剥がせよ。」



苦笑する唯に、手を貸しながら連が



「そろそろ許してあげても良いんじゃないですか?!」



「…冴、マジきたない!!良くそれで唯さんに抱きついたな?!」



立は冴を覗き込んで、本当に汚ないものを見る様に言った。

冴は立を物凄い目つきで睨むが、全くもって凄みがない。



「立くんだって不細工じゃん!!」



「はぁ?!不細工ってお前に言われたくねぇ!!鏡見てから言え!!」



兄妹喧嘩が始まり、連の顔が引きつる。

連は唯を見て2人を指差した。




「あれ…どうします?!喧嘩始まりましたよ?!」



「させとけば?!」



いつもの光景に、さっきまで泣きついて許しを乞うてた面影はなくなっていた。

冴えらしいな、そう思い、唯は鼻で笑い部屋へもどって行く。
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