俺達にはオーナーがいる

騒がしい朝

「連くんも知ってたの?唯さんが帰ってるの。」

「…うん。」

ビックリした顔で冴が聞いて来たので、当たり前の様にへんじをした。

「お前だけだよ冴。」

連は最後の一押しも忘れない。それを見ながら唯は笑を堪え平然を装おう。

「何で立くんの部屋からでて来たの?」

「ん…まだ質問?」

ちょっとうざくなってきた唯。口角が下がって…もう少しきつい事言ったら冴は泣きそうだ。

「ただいまって言いに行ったんだよ。」

冴にニコニコしながら嘘をつく。

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こんな嘘信じるんだよね。
これでひつこい尋問を強制終了
させる唯の常套手段なんだ。
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が、今日は冴も食らいつく

「冴のトコロは?」

「行ったよ?一番初めに。」

「なんで??何で起こしてくれなかったの?」

唯の顔つきが変わった。一気に不機嫌モードに変更されるのに気付き話を変える連は、笑を含みながら意地悪そうに言う。

「イビキかいて爆睡してたんじないの?どうせ」

「ひどい!!連くん!!」

「今日はOff?」

立も唯に別の話題を振る。
"THE空気を読む男"

「…いや。14時から本社でミーティング。1時前にはマネージャーが迎えに来るから。」

「「なんだぁ…」」

立と冴はあからさまに凹んで見せた。そんな2人を他所に連は言う。

「じゃぁ、少しは寝られるんだね。」

「寝るの…?」

「寝るよ。」

「唯さんを過労死させる気か?」

唯の言葉に付け加える様に連が言う。

「つんまんなぁい!」



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