俺達にはオーナーがいる
「「「じゃんけん…ポン!!」」」

連がパー
立もパー
冴がグー

「「よし!!」」

声を揃え、ガッツポーズまでして喜ぶ2人。


それを見て、それ程嫌なものなのかと改めて感じ、より一層嫌な気分になって「え"~っ?」何処から出たのかわからない声をだす。


「ほら。さっさといけ!」

連が冴えの背中を押すと、立が連の後ろからひょっこり顔を出しながら

「階段上がって右の奥が寝室だから。…そっと入るんだよ?そーっと!!」

その立の呼びかけに振り返り、小さく頷く。


心配そうに階段の下から冴を見上げる2人だが、完全なる共犯者。その理由は…冴が最初に出すのがいつも"グー"と、知っていたからだった。
自分が行かずに済んだ安堵の気持ちと、冴えに押し付けた申し訳ない気持ちがなんとも言えない表情に現れている。だけど、だからと言って自分が変わるのも…絶対に避けたい2人は、何度も不安そうに振り返る冴に「「早く行け!」」と言いながら手を"シッシッ"と振る。

嫌々登りきった冴は、唯の寝室の方を指差し首を傾けると、階段したの2人は大きく首を縦に振る。

冴は決心して進んだ。
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