俺達にはオーナーがいる

プライベートルーム

初めて足を踏み入れた領域。

冴の鼓動がドンドン速く大きくなって行く。

正面のドアの向こう側が寝室なのだろうと思ってはいるけど、色々と気になる冴。初めての場所なのだから好奇心に火がつくのも無理はない。

「…ダメダメ!」

自分に戒めて、邪気を祓う。


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自分のプライベートを無断で荒らしちゃダメだ。
私がヤられたら、やっぱりやだもん!
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恐る恐るドアの前まで来ると

「スーッ…ふぅーっ」

大きく深呼吸をして、ドアをノックする。

「………」

なんの音もしない。
もう一度ノックをする。

「………」

やっぱり反応なし。

「…ゆ…唯さん?」

「………」

「…唯さん…入りますよ?」
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