俺達にはオーナーがいる
恐る恐る唯の部屋に入ると、目の前にはシックな柄のパテションで仕切られている。
「唯さぁん?…時間ですよぉ?」
ゆっくりと忍足で奥に進み、パテーションの裏を覗くと、大きなベットに唯が寝ていた。
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ダブルより大きそうなベッド。
キング?コレがキングなのか??
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どうでもいい様な事が気になって仕方のない冴。
それもそのはず。
拾われて来てからというもの、決まりごとの『個人のプライベートの検索はしない』を守って、気になっても干渉しすぎない様にしようとしていたから。
その欲求が、どうでもいいことまでも新鮮に目に映ったのだ。
「…ん"~…」
機嫌が悪い様に寝返りを打つ唯に、パッと現実に引き戻される。
「あっ唯さん…」
冴が声をかけると、眉間にシワの寄っていた唯の表情が一瞬で微笑んでいるかのような穏やかな表情に変化した。
「あっ…カワイイ♬」
唯に見惚れていると"使命"を思い出す。
ちょっと恥ずかしくなって顔を赤らめながら…
「唯さん、起きて下さい。」
「………」
反応なし。少し近づいて…
「唯さん、時間ですよ?」
「………」
「唯さん…?」
余にも起きなさすぎて、そうとう疲れているんだろうなぁと考えながらベッドのすぐ横まで寄る。