俺達にはオーナーがいる

唯の視線の先は変わらず外に向けられ、もう見えない2人の姿を淋しそうに探している様に連の瞳に映る。


「でも、家族愛と恋愛は違いますよ?」

「…家族じゃない。」

「そうですけど…家族みたいなものじゃないですか。帰る家はココだし!」


そう連が言うと、唯は連を見て見つめ合う。唯は冷たい視線のまま。


「…そうだね…。」

「…唯さん…。」

「最後は…バラバラになるのにね。」

「…だったら何でこの生活に引き入れたんだよ。」


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みんな口には出していないけど、前の生活より今の生活の方がいいからここにいるんだし、あの2人も来たばかりの時よりの断然顔つきが良くなり明るくもなっている。

放り出す事なんて…見放す事なんて今更…
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怒った口調の連に、眉尻を下げて力なく微笑む唯。

その表情に胸が苦しくなり、思わず唯を抱きしめる連。


「…あんまり悲しい顔…しないでください。」


そう言って、唯の頬を両手で触れて唇に唇をそっと触れた。

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