俺達にはオーナーがいる
「…ゆ…唯さん!!…苦し…。」
「喋るな。」
そう唯は言いながら連の口を手で押さえた。
「ふんっ…ん…。」
「声!いつも出すなって言ってるだろ?連。」
唯の動きが一段と早くなり、連は息すら我慢をした。
それから1時間後、連は大学の講義の時間に合わせて支度をして部屋から出て来た。
唯はソファーに1時間前と同じ格好のまま寝そべっていた。
「唯さん。…じゃ、行って来ます。」
「ん…。」
唯は寝返って、連を見て手をグーパーした。
そのまま眠りに付いた唯は携帯の着信で目が覚める。
「12時半…」
TVをつけると【いいとも】がやっていた。
鳴り続く携帯の着信は、立。
一度手にとったが切れたのでテーブルに置いた。
"プルルルルル…プルルルルル…"
掛け直さないのは、どうせ直ぐに掛かって来るとわかっていたからだった。