俺達にはオーナーがいる
「ただいま!!」
「遅ぇ。」
唯はシャワーあがりで、上半身裸のハーパン姿。首に掛かったタオルで濡れた髪をワシャワシャと荒々しく拭きながら、待たされた事に文句を言う。
「すっごく急いだのに!!
超飛ばして帰って来たんだよ?ピザだって、学校出る前に注文の電話したし!!」
「でも、いいとも終わっちゃったし、1時間待たされたこっちの身にもなってみろ!」
「ごきげんようでも見てたらよかったじゃ無いですか!!…て、言うより…お風呂入ってたなら関係無いじゃないですか!」
「お風呂は大切なエチケットだろ?!」
唯はそう言いながら、立に近づき立のおデコにチュっと軽く唇を当てる。
いつもの調子で意味不明な唯の言動と行動につっこむ事もなく、ソファーの前のテーブルに、買って来たピザを置いた。
「…さっ。食べましょ!」
テーブルに置いたピザを開け始め、ソファーとテーブルの間に座る立。
唯はビールを冷蔵庫からとって、立の斜め後ろのソファーに座る。
「俺、ピザ久しぶりに食べるんだ!」
立は先に1ピースとってくわえながら、唯の目の前に入れ物ごと差し出し、唯も1ピース手にとって食べた。
「やっぱジャンキーはいいねぇ。」
唯が一口食べてから言うと、口いっぱいにほうばっている立が振り向いて
「ほうんべほ?まほっぱんば お…」
そう、意味不明の言葉を発する立を見て、すっごく嫌そうな顔をして
「口の中にモノ入れて喋るな。汚ねえ。」