俺達にはオーナーがいる


「彩?」

「…だってここ最近、マンション来てもすぐに帰っちゃうし。」

「…何だ、ヤキモチか?」

「違うよ。…久しぶりに甘えてるの!」


彩の腕に更に力が入る。


「…彩。苦しい。」

「私の方が苦しい!!」


そう言って、彩は唯の唇に唇を重ねる。

"あ。マジでやりやがった!"

その瞬間を見ていた連は顔をしかめた。


そしてその横で同じ様に見ていたのが冴だった。

"私だけ愛されていない"

そう感じた冴は今にも泣き出しそうな顔をして
目を逸らすことも出来ずにいた。


その瞬間を冴の目の前が真っ暗になった。


「!!」


冴は突然の事に声も上げられずに
体をビクンとさせて驚く。


「辛いなら見るな。」






< 76 / 158 >

この作品をシェア

pagetop