俺達にはオーナーがいる

冴は水拭き&乾拭きをして
床がキレイになった事を確認する。

ゲストルームが…
唯と連の入って行った部屋が
すっごく気になり、近づいてみる。

ドアをノックする勇気も無く
ただドアの手を当てた。


「………」


そして無言のまま階段を登った。


うつむいたまま登り終えると
冷蔵庫の前でポカリを飲む立が声をかける。


「今までやってたの?すっげーキレイになっただろうね?」


嫌味で言った一言に冴が顔を上げた。
今にも泣き出しそうな顔で…。


「チョーキレイだよ!滑って転びそうなくらい。」


そう笑った反動で目に溜まっていた水分が水滴になってこぼれた。


「冴…。」


立はゆっくりと冴を抱き寄せて優しく背中を摩った。

冴の顔を見た瞬間は、自分の一言に傷ついたのかと思ったが、すぐにそうじゃない事に気がついた。

下で何かがあったのだろう。


「りゅ…く…ん…。」

ひっくひっくしながらも
何かを訴えたいのか冴が声をだすが
余計に涙が出て止まらない。

そんな冴をみて愛おしくなり
立は冴のおでこに唇を当てながら


「辛いの?」


と、優しい声で冴を癒す。
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