俺達にはオーナーがいる

一瞬ビクンとした冴だったが
すぐにいつものスキンシップだと思い、安心しながら無言のまま頷いた。

冴のおでこから唇を離して
冴を包む様に抱きしめる立。

冴は立の胸に顔をうずめて立に抱きつく。

そんな冴を痛々しく思い
優しく頭を撫でる。


今のこの状況に言葉なんていらない。


ただ、自分がここにいる事

ただ、誰かがここにいる事

ただ、誰かが
自分のそばにいてくれている

それだけが認識できればいい。

それだけだった…。
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