俺達にはオーナーがいる
「何してんの?」
唯の声にびっくりして顔を上げる。
音も立てずに階段を上がってきたのだ。
「…立…?」
声も出せず、動く事も出来ず
硬直状態の立に近づきながら
「何してんの。冴と。」
と覗き込む。
冴はそうとも知らずに
幸せそうな顔をしながらも
寝返りをうち、
トドメは立の胸にスリスリ
その瞬間
冴を猫掴みの様に襟を掴み持ち上げる。
「どけ。」
明らかに不機嫌モードの唯に、従う様にその場から離れソファーの横に立つ。
寝ぼけている冴はまたゆっくりとその場におろし、立を見下ろす。
一切の笑顔もなくただ見つめる。
"この間は
俺の返答待ち"
そう思って声を出す
「ゆ…」
この状況を説明しようと『唯さん。』と声を出そうとした時
唯に胸ぐらをつかまれて噛み付かれる様に唇を覆われた。
「いい。部屋に戻れ。」
「冴は泣いてたよ。」
そう言って部屋に戻った。