さよなら、またね
何度か毒舌を聞き流しながら、家に帰った。
お母さんのおかえりを聞かず、そそくさと和室に入った。
これがいつもの日課。
写真の中でピースしてる兄に手を合わせ今日のことを報告した。
お兄ちゃん、
私が大好きだった人。
優しくて血の繋がらないお兄ちゃん。
かっこよくて人一倍努力家で、バスケが得意なお兄ちゃんは私の誇りであり、唯一恋愛感情を持った人だった。
今は天国にいるけど気持ちは変わらない。
ポケットに入ったはんかちは兄からのプレゼント。
貰った日、私の誕生日に兄は交通事故で亡くなった。一瞬だったって。
涙は枯れるほどでた。
今でも一周忌に何度も涙を流してしまう。
それぐらい大切だった。