さよなら、またね
まるで自分から離れるかのように。
きっとあのハンカチにはお兄ちゃんの魂がやどっていた。
お兄ちゃんは私に俺に頼るな!そう言いたかったんだよね。そう思うようにするよ!
だって、お兄ちゃんは彼女と一緒に亡くなったもんね。
私の気持ちは結局届かなかった。
お兄ちゃんは他に大事な人がいたんだもん。今は2人仲良くやってるよね?
いつまでも兄ばなれしない私を最後の決心で突き放したんだよね?
喫茶店から見える外の風景はどんよりしていた。
私の心もどんより。
涙は流れる一方。
「雫」
お兄ちゃんより低いけど私を大事に思ってくれる優しい声。
「うん、」
「好きだよ」
真っ赤な耳をしてそういうあなたに私はちゃんと答えます。