群青ホームラン
「俺たちが行ったらまずいことでもあるのかな?」
その日の昼休み。答えなんて分からない質問を竹田が何度もする。あれからもう5回はされた。
「だから知らねーって。俺じゃなくて長崎に聞けば」
まだ俺の中のモヤモヤは取れない。竹田は「そっか」と納得して長崎にメールを打ち始めた。
数分後、竹田が送ったメールの返事はすぐに返ってきた。それを確認して竹田はキョトンとした顔をする。
「文化祭来ていいってよ?ほら」
竹田はスマホの画面を俺に見せてきた。画面には長崎からのメール文。
【まじで?全然いいよー♪うちのクラス喫茶店だから半額券あげる】
「な?」と同意を求める竹田に俺はまた不機嫌になった。
「じゃ、お前だけ行ってくれば」
そんな冷たい返事を竹田に返した。
竹田は少し考えたあと、メールに返信しないままスマホを閉じた。そして火に油を注がれる言葉を言われる。
「……なんでなっちゃんは冴木にダメって言ったんだろうな?」
だから知らねーって。