群青ホームラン
┗モヤモヤの正体
相変わらずモヤモヤしてたけど、それを竹田に言っても仕方ない。放課後になり、珍しく部活がない竹田と駅まで一緒に帰ることになった。
竹田なりに気を使ったのかあれから文化祭の話はしてこない。別に気なんて使わなくていいのに。
確かに理由は気になるけど、あっちの文化祭にどうしても行きたいわけじゃないし、青木がダメって言うなら行く必要なんてないから。
「あ、あれ……」
白石駅が見えてきたところで竹田が急に声を上げた。その視線を追うと数人の学生の姿が。
よく見ると三人は南女子校の制服を着ていて残りの二人は私服、しかも男。
「あ、長崎じゃん!!おーい長崎ー」
隣で竹田が大声で叫ぶ。思わず口をふさいでやりたくなった。だって長崎がいるってことは……。
「あれ竹田じゃん!!あ、夏月、冴木くんもいるよ」
長崎が俺に気づいてご丁寧に青木に教える。やっぱりその数人の中に青木はいた。
しかも俺の予想どおり男付き。パッと青木と目が合ったけれど、お互いどこか気まずい感じだった。
「こんなところで何してんのー?」
それなのに竹田は能天気に長崎たちに話しかける。