群青ホームラン



多分俺も焼きもちを焼いていたのかもしれない

青木が俺以外の男と一緒に居た事


例え二人きりじゃなくても、例え文化祭の買い出しでも

俺はイライラして嫌だって思った

きっとこれが焼きもちなんだと思う


今までこんな感情になった事なかったから全然気付かなかった


『夏月、うちの文化祭来たいって言ってたから誘ってみなよ。同じ日だけどさ、冴木君が行くよりそっちの方が喜ぶと思うよ』


『………うん。ありがとう』


宮野がニコリと笑った所で、香月駅に向かう電車が来た


俺は勝手に青木は焼きもちを焼かないって思ってた


今までだってそうだったし、そんな素振り一切見せないから


でも、もしかしたら言いたい事とか嫌な事とか知らず知らずに我慢してたのかな?って思う


付き合ったらそれ以上の距離はないと思ってたけど

付き合ってからの距離の方が複雑で難しいのかもしれない


お互いの距離が近い分、些細な事でイライラしたり嫉妬したり

でもそれが面倒だとは思わない


だってどれだけモヤモヤしても、それは俺の中の青木への気持ちが大きな証拠だから




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