群青ホームラン
┗特別な一番
それから数日後、俺にとって嫌なニュースが流れた。
「じゃーん!!ミスコン2年男子、一位おめでとう」
文化祭を明日に控えた今日、竹田が投票結果の書かれた紙を俺に見せてきた。
「あっそ」
相変わらず興味のない俺は投票結果を見ることもなかった。
「ちょ、見ろよ、この投票数!全生徒の半数がお前に票入れてるぜ?まあ、ほぼ女子だろうけど」
竹田は俺を追いかけてきて前の席に腰掛けた。確かに投票結果の欄には2年男子〝冴木由希〟とばっちり書いてある。
嫌な予感はしてたけど……これもう変えられないの?
名前がでかでかと書いてあるのも嫌なんだけど。
「あ、この結果は当日まで秘密だから内緒な。それとステージで話す言葉も考えとけよ」
……え?今なんて言った?
「……ステージってなに?」
自分の血の気が引いていくのを感じた。
「え、言ってなかったっけ?ミスコンに選ばれた人は体育館のステージに呼ばれて発表されるんだよ」