群青ホームラン



そしてついに文化祭当日。

校内は派手に装飾され、お化け屋敷や喫茶店、クラスこどに出し物が出ていた。生徒たちも年に一度の一大イベントだからか気合いが入っていて朝から騒いでいる。


「お前は本当にこんな日でもテンション低いんだな」

机や椅子が片付けられた教室で地べたに座ってる竹田が飽きれた顔をしていた。


「つーか逆にどんなテンションになったらそんな物被れんの?」

竹田の頭には何故か寅の顔をした帽子。正直、隣にいるのが恥ずかしいんだ。


「は?だって今年寅年じゃん!!分かってねーなお前」

自信満々に言う竹田に俺はすかさず言い放った。


「今年ウサギ年だよ」

「えーー!!」

竹田はやっぱりいつになってもバカらしい。まあ、そうじゃなきゃ竹田じゃないけど。

そんなことはさておき、俺には最大の問題がある。


教室の黒板に書かれた文字。

【ミスコン開催 発表は今日の14時から体育館で】


ミスコンってそんなにみんな興味ないと思ってたけど、毎年発表の時は体育館が埋まるほどの人が見に来るらしい。

どうしようか考えてる中、ミスコンの紙に書かれていた〝ある一文〟を発見して笑みがこぼれる。


「なあ、竹田。頼みごとがあるんだけど」

「ん?」

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