キミを想う。
「えっ?どうゆうこと?何でユキがゆずのお弁当箱持ってくんの?」
そう言われて瀬野くんが隣にいたことを思い出す。
しまった…!
瀬野くんにボッチ飯してることがバレてしまう。
「な、なんでだろう…、えっと…あ、あの」
何と言えば誤魔化せるだろう…と悩むが言葉が出てこない。
「もしかして…」
何か瀬野くんが発しようとした時、ちょうどチャイムが鳴った。
「お前ら、早く教室入れー」
現国の先生が教室の前のドアから入ろうと、まだ廊下にいた私達に注意をしてきた。
「はーい」
瀬野くんは教室の後ろのドアを開けて中に入ったので、慌てて後ろをついて行き席についた。
チャイム鳴って良かった。
誤魔化す言葉が思い付かなかった。
教科書やノートの準備をしつつ、安堵の息をついた。