キミを想う。



「えっ?どうゆうこと?何でユキがゆずのお弁当箱持ってくんの?」


そう言われて瀬野くんが隣にいたことを思い出す。



しまった…!


瀬野くんにボッチ飯してることがバレてしまう。



「な、なんでだろう…、えっと…あ、あの」


何と言えば誤魔化せるだろう…と悩むが言葉が出てこない。



「もしかして…」


何か瀬野くんが発しようとした時、ちょうどチャイムが鳴った。



「お前ら、早く教室入れー」


現国の先生が教室の前のドアから入ろうと、まだ廊下にいた私達に注意をしてきた。



「はーい」


瀬野くんは教室の後ろのドアを開けて中に入ったので、慌てて後ろをついて行き席についた。


チャイム鳴って良かった。


誤魔化す言葉が思い付かなかった。


教科書やノートの準備をしつつ、安堵の息をついた。



< 105 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop