キミを想う。
「勉強会」
どうしたらいいか分からないまま朝を迎えた。
「はぁー…。瀬野くん、もう来てるよね」
独り言を呟きながら恐る恐る教室を覗く。
やっぱり、もう来てる。
意外と瀬野くん、いつも早いんだよね。
逃げられないのでドキドキしながら席へと向かう。
何で隣の席なんだろう…。
嬉しいけど、今は辛い。
「あ、ゆず。おはよ」
「お、おはようございます…」
チラッと瀬野くんに視線を向けて、すぐ黒板の方へと視線を逸らしながら席に着く。
「昨日は加穂が迷惑かけたみたいで悪かった」
「えっ!?あ、ううん。だ、大丈夫」
いきなり加穂さんの話題を振られ心臓がドキッと鳴るが、「郁斗!」と三和くんが瀬野くんを呼んで助かった。