キミを想う。



「ゲッ、菜々子いんじゃん」


菜々ちゃんと下駄箱で瀬野くん達を待っていると、タケくんが嫌そうな顔をした。



「なに?私がいたらダメなの?」


「お前うるせーんだもん。勉強の邪魔」


「はぁ?!うるさくないし!勉強の邪魔しないし。嫌なら帰れば?」


「はっ?お前が帰れ」


いつものように言い合いを始める菜々ちゃんとタケくんに、皆、呆れている。



「お前ら二人とも帰れ。うるさい」


はぁー…と溜め息を吐きながら、瀬野くんは上靴から外靴に履き替える。



「嫌!絶対帰らない。ゆずと一緒に勉強するって約束したもんね」


そう言って菜々ちゃんは私の腕に自分の腕を絡めた。



「行こう!どこで勉強会するの?」


正門に向かいながら、少し後ろを歩く瀬野くんに尋ねる菜々ちゃん。



「駅前のフードコートとか?」


三和くんが答えると、「そうだな」と瀬野くんが言い、駅前に向かうことになった。



ユキくんは来ないのかな?


うるさいの苦手そうだもんね…。



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