キミを想う。



「こ、こんにちは…」


ドキドキしながら挨拶をする。



「こんにちは!やっぱり郁斗の言ってた通りだね!」


そう言って嬉しそうに瀬野くんの肩をポンポン触る。


何を言ってたのかな…?



「おま、お前、それ言うなよ!?」


慌てたように瀬野くんは加穂さんに口止めをした。



「言わないよー。もう。ごめんね?勉強してたんだよね?邪魔しちゃった」


可愛く謝る加穂さんに瀬野くんは溜め息を吐きながらも嬉しそうな笑みを浮かべている気がした。



「加穂さん、花火大会どうするんすか?」


今まで黙ってやり取りを見ていた三和くんが友達の所に戻ろうとする加穂さんを引き止めた。



「あー、今年はどうしようかな。まだ決まってないんだ」


「えっ?あいつは?一緒に行かないの?」


加穂さんの言葉に瀬野くんは驚いた表情を見せた。



「んー…。受験生だしね」


そう答える加穂さんの顔が一瞬曇った気がした。



「じゃあ俺らと行こうよ」


「えっ?いいの?」


瀬野くんの言葉に暗かった表情がパアッと明るくなる。



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