キミを想う。



「疲れたー…」


もう今日はここまででいいかな…。


でも、あそこの資料の棚が気になるな。



後ろで一つに髪を束ねて、額から流れる汗を首から下げたタオルで拭きながら、近くにある椅子に腰かける。


窓は開けていても全然涼しくなく、生暖かい風が時折入ってくるだけである。



「…好きだな、片付け」


「えっ!?」


いつからいたのか涼しい顔でユキくんが世界史の資料室のドアの前に立っていた。



「これ、中谷から」


そう言って棒のついたアイスを渡してきた。



「あ、ありがとうございます…」


ひんやりしていて気持ちがいい。


中谷先生にもまたお礼言わないと。



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