キミを想う。



「いいよあいつらは。合コンとか行く気なかったし」


「…そう、ですか」


それより、私は何で瀬野くんに屋上まで連れて来られたんだろう?



「笹原さんって何で喋んないの?」


「えっ?」



「菜々子とは普通に話してるっぽいのにさ、教室ではめっちゃ声小さいじゃん」


「……それは」


いきなり痛いとこを突かれ泣きそうになる。


瀬野くんには分かんないよ。



「…苦手…なの……」


「苦手?」


でも、ちゃんと聞いてくれてる。



「人と話すことが…」


小さな声なのに…。



「…緊張しちゃう」


ちゃんと耳を傾けてくれてる…。



「ふ〜ん。緊張ねぇ」


俺には分かんねぇな…と呟く瀬野くん。




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