キミを想う。



「せっかく可愛い声してんのにさ、黙ってたらもったいねぇよ?」


「…っ!」


可愛い声って!?


さっきも廊下で言ってたけど。



「でも菜々子しかその声知らねぇんだよな?その声を俺も知ってるって得した気分だな」


嬉しそうに笑う瀬野くん。


得した気分って何…?



「俺さ、笹原さんの声初めて聞いた時、ドキドキしたもん」


「…えっ!?」



「だからあん時、無意識に腕掴んでてさ」


ハハッと照れ臭そうに笑う。


この前、急に腕掴まれたことかな?と思い出す。



「声聞きたいのにさ、全然喋らねぇんだもん。だからさっき声かけられた時、すげぇびっくりした」



"声が聞きたい"


その言葉にカァーッと顔が熱くなる。



< 15 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop