キミを想う。
「…困らせて、嫌われてんのかと思った」
「そんなことない…っ!」
「なら良かった」
そう言って嬉しそうな表情をした。
また心臓がドキドキと鳴る。
すごく優しい表情をするユキくんに戸惑う。
祭りの音が聞こえるだけで、私達二人の周りは静かにシーンとなっている。
その静けさを破るかのように、ヒュー、バーン!!と花火が打ち上がった。
「あ、花火…!」
花火大会が始まったことに気付き、隣に座るユキくんに視線を移すと、花火を見上げるキレイな横顔が映った。
本当にこの人はキレイだな…と改めて実感する。
「…なに?」
「えっ!?いや、えっと、ごめんなさい」
見つめていたのがバレて慌てていると、ユキくんは小さく微笑んだ。
「あ…」
私から視線を外したユキくんが遠くを見つめ何かに気が付いた。