キミを想う。



「なにやってんだ?あいつら」


ユキくんの視線を追いかけると男女が言い争っている姿が見えた。



あれって…。


暗闇の中、打ち上げ花火に照らされる人影に目を凝らす。



「郁斗と加穂だな」


ユキくんが溜め息混じりで二人の名前を呼ぶ。



加穂さん?


あれ?


さっき瀬野くんのお兄さんから呼び出しがあって行ったんじゃなかった?


どういう流れでまた加穂さんが瀬野くんといるのかは理解出来なかったが、少し険悪な雰囲気なのは伝わってきた。



「ケンカかな…?止めた方がいいのかな?」


どこかに行こうとする加穂さんの腕を瀬野くんが引き止める。


遠くから見てるこっちがハラハラしてくる。




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