キミを想う。
「いってきます!」
家にいる母親に声をかけ、玄関を出ると家の壁にもたれる人影に気が付いた。
「ユキくん!?」
「…おはよ」
「お、おはようございます…」
スマホを触りながら待っていたのか、ユキくんはスマホをポケットにしまった。
「あ、あの…いつからいたの?」
まだ待ち合わせ時間まで間に合ったはずだ。
家から駅まで10分もかからない。
もしかして、家の時計が狂ってる!?
時間過ぎてることに気付かないで、凄い待たせてた!?
あり得る!
ひとりパニックに陥っていると、クスッと笑い声が聞こえた気がして、ユキくんの方を見る。