キミを想う。
「おい」
「はいっ!」
何故だかキレているユキくんに背筋を伸ばし返事をする。
「俺の名前知ってるよな?」
「も、もちろん!ユ、ユキくんです!」
「フルネーム」
「えっ!?」
フルネーム…。
えっと…ユキくんって苗字なんだっけ?
凄い怖い表情で睨んでこられ、普段は表情が変わらないユキくんだからかなお怖く感じる。
「ゆず、"真田くん"」
びくびく怯える私が可哀想に感じたのか、瀬野くんがクスクス笑いながらユキくんを指差した。
「……えっ?」
真田くん?
誰が?
……えっ?
「えーーっ!?」
ユキくんが"真田くん"なの!?
ブスッと膨れっ面でこちらを睨むユキくんにチラッと視線を向ける。