キミを想う。



どうしよう。


だからずっと瀬野くん笑ってたんだ。


もう怖くてユキくんの顔見られない…。



「…先戻るわ」


溜め息を吐きながらユキくんは校舎の方へと姿を消した。



「ど、どうしよう!怒らせちゃった…」


オロオロと慌てる私に「大丈夫だって」と瀬野くんは苦笑した。



「でもあそこまでユキが怒った態度出すなんて珍しいな」


お弁当をパクパク食べ進めながら三和くんが不思議そうに呟いた。



「…確かに。何かユキとあった?」


「えっ!?べ、別に…」


瀬野くんもユキくんの態度が気になったのかどこか納得いかない様子で校舎に消えていったユキくんの方へと視線を向けていた。



「あ、あの、ちょっとごめんなさい…!」


ユキくんのことが気になり慌てて後を追いかける。


どうしよう!


絶対、傷付けたよね!?



校舎の中に入ろうとするユキくんの後ろ姿を見つけ、息切れをしながらも頑張って大きな声を出す。




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