キミを想う。
「私、何か言ったかな?」
「言ってないよ。ノブのことはほっとけ」
「う、うん…」
いいのかな?と思いながらも、そろそろ先生が来るから授業の準備をする。
「笹原さん」
瀬野くんに声をかけられ、瀬野くんの方へ向くと、三和くんはいなくなっていた。
「緊張した?」
「えっ?」
「ノブ」
「う、うん…」
「やっぱり?びくびくしてたもんな」
アハハと可笑しそうに笑う瀬野くん。
三和くん、図体デカイし、ピアスも何カ所もしてるから、厳つくて見た目は瀬野くんよりもかなり怖い。
「で、でもね…」
「はーい、席着けー!」
また私の声を消すように大きな声で先生が入って来た。
授業が始まり、その日は瀬野くんと話すことはなかった。