キミを想う。
私の隣に座りポケットからスマホを撮りだすと、「カメラ見て」と顔を近づけてくる。
そのあまりの近さに心臓がドキッと飛び跳ね、ドキドキして上手く笑えない。
ダ、ダメだ…。
ユキくんの横顔があまりにもキレイ過ぎて、並んで写真撮るなんて地獄だ!
そもそもユキくん単独の写真を撮りたかったのに、何で一緒に撮ってるの!?
頭がパニックを起こしていると、カシャッカシャッというシャッター音が何回か聞こえてきて、ハッと我に返る。
「えっ!?ちょっと待って!?」
「…なに?」
撮影した写真の確認をしているのか、スマホを触りながら返事をするユキくん。
「今の消して!絶対に変な顔してた…」
思わずスマホを握るユキくんの手を触ってしまう。
「…無理。というか、嫌。消したくない」
ちょっと視線をそらしながら答えるユキくんに「なんで!?」と詰め寄る。
「……可愛いから」
さっきと同じようにまた咳払いをするユキくんの耳は少し赤くなっている気がした。