キミを想う。



瀬野郁斗。


金色に近い明るい髪色で格好良くセットされた髪型に着崩した制服。


いかにも不良グループって感じの男の子。



私は苦手なタイプだ…。


菜々ちゃんがいないと関わりたくないから、一度も話したことがない。



まぁ、瀬野くんも私なんかと話したくはないだろうけど…。






「郁斗、どっか行かね?」


「あぁ」


放課後、瀬野くんの友達が彼の机の周りに集まり始めた。



「カラオケ行こうぜぇ」


「お前、カラオケ好きだよな」


カラオケの話で盛り上がっている集団。



「ゆず、帰ろー!」


そんな中、廊下から迎えに来てくれた菜々ちゃんの声が響いた。



「あ、菜々ちゃん」


菜々ちゃんの登場にホッと安心し、急いで鞄を持って廊下に向かう。


あんな不良集団がずっと近くにいたら緊張しちゃう。




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