キミを想う。
「ゆず、どうした?」
「…え?」
「元気ない?」
相変わらずピンでセットされた金色の髪に、着崩された制服の瀬野くん。
見た目に似合わない表情で心配そうに見つめてくる。
「…げ、元気がないって言うか…あの、えっと」
「ん?」
更に顔を近付けてくる瀬野くんに体中が熱くなる。
「……ユ、ユキくん」
「ユキ?」
「あ、朝、電車で会ったのに…気付かれなかった…から、その」
「へこんでんだ?」
小さくコクッと頷くと、呆れたように笑った。