キミを想う。

「ゆずがいるんだから」




春の風が吹く午後。



「菜々子、お前邪魔」


迷惑そうな顔で菜々ちゃんを見つめる瀬野くん。



「邪魔って何よ。ゆずと話してるだけじゃんね?」


「う、うん」


いつものように瀬野くんの席に座ってる菜々ちゃんに頷く。



「ノブの所に行ったらいいじゃん」


「何でお前が決めてんだよ」


休み時間、たまに私のクラスに遊びに来る菜々ちゃんは教室を見渡した。



「あれ?ノブは?いないね」


「タケんとこだよ。お前も教室戻れよ」


はぁ〜と溜め息を吐く瀬野くんに菜々ちゃんはお構いなしに喋り続ける。



< 49 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop