キミを想う。
瀬野くんグループを避けて静かに後ろから行こうとした瞬間、ガシッと何かに腕を掴まれた。
「…えっ?」
自分の腕に目をやり、恐る恐る私の腕を掴んでいる手へ視線を向ける。
男の手が私の腕を掴んでいた。
パッ!とその手の主へと顔を向けると、バチッと瀬野くん目が合ってしまった。
「どうしたんだ?」
「あ、悪ぃ…」
友達の声にハッとしたのか、瀬野くんは慌てて手を離した。
ジロッと集団から見られている視線が嫌で、私は急いでその場から走り去った。