キミを想う。
「郁斗やノブも?苦手なタイプじゃなかった?」
「んー…、そうなんだけど。話してみたら大丈夫だった…かな?」
「そうなんだ」
「あ、でも、全然会話らしい会話は出来ないんだけどね」
本当に一緒にいるだけっていう感じだし。
「それでも進歩してるじゃん!」
「…そうかな?」
「うん!なかなか友達作れなかったのに、郁斗たちと友達になってんじゃん!」
「うん…」
"友達"
その言葉の響きにちょっと頬が緩む。
「まぁ郁斗たちと友達になったっていうのはびっくりだったけど」
「…ははっ」
苦笑気味に笑う。
私だってびっくりだよ。
「菜々子!どこ行きたいんだよ?」
「カラオケ!」
「好きだよなー…」
呆れ顔の瀬野くんはまた前を向いて歩き続けた。