キミを想う。
「ゆず、途中から一人で歌ってたの気付いてた?」
「えっ!?嘘!?」
ニヤッと笑みを浮かべる菜々ちゃん。
一人で歌ってたなんて気付かなかった!
急にカァーッと顔に熱がこもる。
「ご、ごめんなさい…っ、下手なのに…」
「笹原さん!」
「は、はい!」
三和くんに大きな声で名前を呼ばれ、ビクッと飛び跳ねる。
「お前、歌上手いじゃん!」
「俺もマジ聞き惚れた!」
………えっ?
まさかの三和くんとタケくんの反応。
「う、う上手くなんかないよ!!」
恥ずかしくて慌てて否定するが、二人は褒めまくってくれる。
菜々ちゃんは「でしょー?」なんか言って、面白がってるし。
肝心な瀬野くんは何も言ってくれない…。