キミを想う。
「…瀬野くん!」
「ぅお!ゆず!」
「ごめんね」
「はっ?何だよ、急に」
突然謝る私にきょとんとする瀬野くん。
「私、瀬野くんの気持ち害することしちゃった、…よね?」
本当は歌えって冗談だったのかもしれないのに。
「本当だよ」
「…ご、ごめんなさい」
「お前の歌声なんて聞きたいって言わなきゃ良かった」
「………」
瀬野くんの言葉に少しグサッとくる。
我慢してるけど、泣きそう…。
「…ゆずの声が可愛いってあいつらにも分かっちゃったし」
……………。
「………えっ?」
俯いていた顔を上げ、瀬野くんを見つめる。